先日、かれこれもう10年以上の付き合いになるデデくんとの初めての海外ツアーにお供させて頂きました。
今まで、world’s end girlfriendでかれこれ7年ほど前から毎年のように上海、北京をはじめ中国各地、そして香港などを廻ってはいるのですが、広州と杭州は初めて、そしてデデくんとの海外ツアーも初めて、バンドメンバーSAWAGIのウニくんと観音くんとのツアーももちろん初めて、というフレッシュで且つ久しぶりに連続5公演1オフ1公演という、なかなかのマッチョな旅でありました。
思い起こせばツアー序盤、果たしてこのツアーは終わるのか、もしかしてこのままひたすら移動しながら一生ライブをやり続けるんじゃないだろうか、そういえば廻る各地の会場のほとんどがMAOという名前のところだし、このまま世界中のMAOをお遍路のように回り続けて(終わらない)一生で人生を終えるのかな、それってなんだか手塚治虫の「火の鳥」のようだな、みたいな所謂ルーパーシンドロームに見舞われそうになったものですが、香港での最終公演前の楽屋では、「あ、ツアーってのは、終わるもんなんだな」と当たり前な時の流れに感心してしまっておりました。
広州では、Jimanica Band Setのコーラスを一時期担当してくれていたメイリンと、誕生日が僕と同じな小島ケイタニーラブとも会えたし、上海では前回のwegのツアーで知り合った中国人のドラマー仲間Senにも会えたし、香港ではお馴染みwhite noise recordsのGaryにも会え、特に香港ではそこからいろいろな繋がりの芽生えがあって、とても収穫の多いツアーでありました。もちろん、デデくんをはじめメンバーのみんなも素晴らしいナイスガイズ、ときたま肘に椅子の角が当たって神経がジンジンするのにも似た、あ~そこね、あるよねウケるよね、という絶妙のピンポイントを突く、いわばカンフージョークが何度も僕に突き刺さったものでした。そして何よりも、中国そして香港のお客さんは、wegでの公演同様、めっちゃエモく、そして暖かい。英語中国語(マンダリン広東語)日本語全てが入り乱れる中でもひとつのベクトルに向かって行く砂時計のようなパッションは、ライブの大きな支えでありました。
食事も北京~香港にかけて南下して行くごとにバリエーションが徐々に変わって行き、毎晩ヘットヘトにも関わらず、夜な夜な本気のフードファイトが催される訳でして、ナマコやザリガニは序の口、ダチョウの腸串、臭豆腐から鳥の三本足など、食べたものは枚挙にいとまがありません。そんな中、僕の往年のフェイバリット中華はやはりこれです。西紅柿炒蛋。
そんなこんなの今回のツアー、いろんなことが思い出に….のはずなのに、僕の脳裏に焼きつくほとんどの記憶には、ツアーアテンドを担当してくれたMAO Livehouseスタッフのカカさんという女性の方の猛烈なラブ注入しかありません。
カカさんはMAOのいわゆるツアーブッキング的なポジションのヤリ手なスタッフの方で、今回ツアーの全工程に帯同しホテルや食事などのアコモデーションを全て世話してくれる、いわば我らが命綱の存在であります。そんな方にツアー初日から「マイボーイフレンド、マイボーイフレンド」と、終始メッシ並みの徹底マークを受けるほどに何故か気に入られまして、気に入られるのはもちろん嬉しいことなのですが、同時に中国の女性の強さと優しさというものを身をもって知った次第であります。
そんなキュートなカカさんは普段あまり英語が得意では無く、デリシャスとかブラジルという単語も知らないという、ある意味現代において貴重な人材なのですが、各地で終演後に毎回行われるサイン会では「他の女と喋るな」だの「他の女の目を見るな」だのと、本気なのか冗談なのか分からない目つきで念を押してくるときに限って英語が流暢になるので、あぁ、やはり言語というものは本当に思ってることを言うときは説得力を持って発せられるんだな、僕はといえば余計な事だけをワイのワイのとその場の盛り上がりと酒に任せて適当極まりなく話しているから、日本語なのにも関わらず色々な人に、特に小林うてなから「ちょっと何言ってるか分からない」と面倒臭がられるんだなと、自身についても少し反省しました。
そんなこんなで終えたDEDEMOUSEツアー、とても面白かったです。デデくん、本当にありがとう。そしてメンバーのみなさん&マネ小林くん&カカさん&お客さま&会場スタッフ関係者の皆さん、ありがとうございました!また行きます。