[ BLOG ]キミはmoaiというバンドを知っているか

僕がNYから帰って来た翌年の2001年、東京での活動のメインとなるバンドの結成を考えていました。

バンドのような、バンドでないような編成をイメージしていた僕は、誰を誘おうかと思案を張り巡らせまして、打ち込みとシンセ担当に 大学の同期でバンドも一緒にやっていた、今や音系サークルの同窓会を企画するようなハートフルなマインドを持ちつつも、そこはかとなく漂う毒が売りの佐々木統剛氏、サックス担当に バスクラリネットよりも小柄なのに音はブブゼラよりも大きいフリージャズ界のオビワンケノービ森順治氏を誘い、moaiと名付けトリオでスタートしました。後に 未来永劫普遍的に面白くないダジャレをひたすらSNSに垂れ流している凄腕ベーシスト梅沢茂樹氏を迎え、4人編成で固まったわけです。

その頃はジャムバンドムーヴメントの後期、NYではJojo Meyer氏がNerveを率いて毎週ライブをやっていたり、ヨーロッパでも人力Drum ‘n’ Bassなグループが出て来たりしている中、日本でもライブハウスでサウンドチェックをしているドラマーのほとんどがツカツカスタスタやっていた時代でありました。僕もLTJ BUKEMやINTENSEなどGood Looking系やMetalheadz、Goldieなどにハマっていたもので、新バンドmoaiもそんな流れの中で生まれたバンドで、吉祥寺Star Pine’s Cafeや池袋のLive Inn Rosaなどで頻繁にライブを行い、春風などのフェスにも出演しておりました。

先日RUPPAくんとのデュオライブで下北沢440に出演した際、対バンのピラミッドスのギタリスト、つっちー氏が moaiを観に当時ライブに良く来てくれていたこと、どこかの山奥で開催された「ゆらぎ」というレイブとライブが一緒になったイベントにmoaiが呼ばれ、それを観に行った時知り合ったミュージシャンが彼のその後の音楽に大きく関わることになり、肝心のmoaiの本番午前4時には力尽きて寝落ちしたこと等々を話してくれて、ちょっとした感動を覚えたのと同時に、あの頃の(良くも悪くも)ひたむきであった初心をふと思い出させてくれた訳です。

折しもその数週間前、海外の方からメールで「moaiのCDは買うことは出来るのか?」と問い合わせがあり、よくmoaiのことを知ってるなと驚きまして、つっちー氏の話を聞いたことも含めて、これもなにかの啓示かなと、せっかくなのでmoaiの唯一のアルバムをbandcampにて再発いたしました。

moai  “moai;1” sale on bandcamp

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moai;1
2003年のリリースです。1とうたっておきながらこれが最初で最後の作品です。超レアです。当時、青山SPIRALの一階にセレクトCDショップがあり、そこのドレッド店員水野さん(懐かしい….)のご協力の元、そこだけに卸されていた唯一のCDです。この度はデジタルダウンロードにてまた日の目を見せてあげたいと思った次第です。

今から聴くと、ドラムに至っては雑だし線は細く、つたない感満載で未熟なプレイに赤面ですが、こんな時代もあったなと、僕自身も今聴くと発見のある音源です。

皆様、楽しんでいただければと思います。