[ BLOG ]木下美紗都が落雷寸前でした

去る9/13、茨城の結城で木下美紗都と象さんズのレアなライブがありました。レアというのも、一般の方々が観れるものではなく、結城紬で有名な着物屋さん、奥順というブランドの新店舗オープン記念のクローズドのパーティにて演奏するというお話です。

早速到着した結城は抜けるような晴天に恵まれ、敷地内の庭での屋外パーティということで演奏も庭園内にあるちょっとした屋根のあるスペースをステージに、和服セレブリティ漂う素敵な空間でのライブが出来るとのことです。会場は「和」な落ち着きと適度なカジュアル度の程よいブレンド感で、一方の建物は着物のギャラリー、一方は手動の機織り機の並ぶ工房という、なんとも風情溢れるロケーションで、とてもナイスなところではないですか。

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庭園での立食パーティとはこういうことだ、と聞こえてきそうなくらい隙のないシチュエーションで、なんだかいい雰囲気でライブが出来そうです。

我らが象さんズの木下美紗都女史はこの日、奥順の和服を着て演奏をするという段取りで、サウンドチェック後に着付けを済ませ、我々象さんズの前に現れました。

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渋!とても似合っていて、ここの人のようですね。木下女将と象さんズ と改名しようと思います。しかし本当に奥順さんの着物は奇麗であります。ぱっと見では伝わらない、近くで見たときの深さがあります。

リハも終了しパーティが始まり、工房では機織りの実演などのデモンストレーションを見ることができたり、ロハスな時間が流れています。

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しかし機織りというのは見ていると気が遠くなるほどあまりに地道すぎて、そりゃぁこうやって出来た着物ってのはそれなりのお値段もしますよねと納得させられるような手間がかかっているのですね。もしiPodで音楽を聞きながら機織りをするとしたら何を聴くと捗るのだろうとふと思ったのですが、多分本当に集中したらそんなん要らんとイヤフォンを外すだろうな、とどうでもいいことを思うくらい地道な作業でした。

そして夕暮れ頃、女将と象さんズのライブがスタートしました。すると2曲目を終えた辺りから、あんなに晴れていた空がみるみるうちに怪しい雲行きになっていき、重い雲がドラムセットごしの空に見えてたなと思った矢先、風がいきなり冷たくなり、なんだか嫌な予感がしてきました。3曲目を始める直前、やはり、ピカピカゴロゴロと遠くから聞こえてきたと思ったら、木下女将が怯えきった表情でいるのに気づきまして、「私本当に(雷)ダメなんです」と漏らしたあと、いよいよな勢いで雨が降りだしてきました。3曲目どうするの、やるのやんないの、みたいな躊躇がありましたが、その時点では雨もそこまでシリアスではなかったのでむしろなんかちょっとエモくていい感じだなと思い、「いいよやろうやろう」とあまり本気で心配はしていなかったのですが、すると何か意を決したような木下女将が僕とギター石塚くんの方に降り向き「死ぬときは一緒で!」と半分本気ともとれる表情で右手に握った拳をぐっと出したときには あぁこの人ホントに(雷)ダメな人なんだな、と即座に納得しました。

その後3曲目を始めましたが雨と雷はものすごい加速度で勢いを増していき、お客さんは両側の建物に退避、だれもいない庭園に向かって雷雨のなか演奏するというめちゃくちゃシュールな状況でしたが、曲の前半を終えた時点でこれはさすがにやめましょう、ということでライブも中止し我々も退避しました。

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この雨がなかなか止まず、お客さんは退避した建物で完全に家飲みを始めており、残念ながらライブは中止となりました。が、演奏中に雨で中止というのは初めての経験なので、なんか全部楽しかったです。

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雨足が引いた後楽器も拭いて片付け、やれやれということでパーティの余りのワインと日本酒をボトルで頂き、女将と石塚くんに別れを告げ新潟は十日町のジェームスタレルの光の館に。コンテンポラリー&キャノンボールな夜を過ごしました。

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みなさん お疲れさまでした。