先週末、KASHIWA Daisukeくんのサポートで久々に上海に行って参りました。会場のMAOはworld’s end girlfriendで2011年にきて以来の場所です。あの時は震災直後の4月、色々とザワつきながらの来訪だったのを思い出します。
今回はカシワ君の他、大阪からのDJ/トラックメイカー Shin-Skiさんとの2マンで、上海で初めましてかと思いきや、数年前にデデマウスくんの大阪公演で叩いた際に対バンだったと伺ってビックリ、それはどうもというサプライズでした。Shin-Skiさんとは今回の上海滞在でほとんど我々バンドメンバーと一緒に時間を過ごし、もはや元々メンバーにいたんじゃないかという気さえさせるくらいフレンドリーでスーパーソフトな物腰のいい人でした。
前乗りでワンマンでもないということもあり、チャンスと思うや否や、青島ビール〜紹興酒〜青島〜青島〜紹興酒〜青島〜紹興酒〜紹興酒〜青島〜青島〜青島〜紹興酒〜紹興酒の無限ループ。書くだけで息切れしそうです。久々にアホかっつう位に食べた3日間でした。
特に印象に残っているのは、着いた夜遅く、企画・主催であるBad Newsの方々に誘われ、夜10時過ぎになかなかのディープなストリートにある、これまたドープな食堂で出てきた、「ざく切りのトマトと卵を炒めただけ」に見えるあの一品。なんていうんですかねアレ。写真こそ撮り忘れましたが、本当にそれだけなのでぱっと見は「あ、ここ失敗出しちゃうのね」ぐらいに見えるような、トマトと卵で赤と黄色、まるで中国旗のような盛りつけに驚きつつ、いざ勧められて食べてみると本当に美味しい立派な中華料理だったのであります。多分、何がしかの味付けはあったと思うのですが、着いたその日の夜の二軒目だったのでもう脳がどうかしててそこまでのグルメな分析はできません。とにかくルックスとは裏腹な美味しさ。
そしてビールが注がれるコップがファンキー。いわゆる日本でもよくある小さいビールグラスなのですが、ガラスの透過度がほぼゼロ。陶器かな?っていうぐらい曇ってます。しかし逆にテンションは上がる一方です。こういうところに来れるチャンスは他の観光客の方々にはなかなかありません。ドラマーでいうと、エドグリーンの名前がロニースミスの”Move Your Hand“のレコーディングエンジニアのクレジットに載っているのに気づいた学生時代以来、かねがね真相を知りたくてはや20数年、今調べたら同姓同名の違う人だった、という位のレア度です。
またこの食堂のトイレが超ファンキーでした。ドラマーでいうとヨギホートンクラスです。3畳半ほどの、ガンガン料理作っている厨房にいったん入って左、鍵のない引き戸を開けるとそこにはPLAYSTATION VRのバイオハザードで見たような部屋の景色が広がっています。トイレの流すボタンは陥没、立て掛けてある逆さまのモップから垂れる見たことの無い色の液体、踏むとジュワっと音を出して数センチ沈むウレタンのカーペット。頭の中はFunkadelicのmaggot brainが鳴り響いております。出ると厨房では普通にコックが料理をつくっているという、もはやジャン=ピエール・ジュネのデリカテッセンの世界です。信じられないかもしれませんが、他の料理も含め、本当に美味しかったです。また行きたいです。
そんな初日が明けて、本番当日。昼に行った食堂も最高でした。ビールの他に出てきたココナッツジュースが、極右の選挙ポスター並みのイケてないデザインで、最初は飲むのをためらいましたが飲んでみると意外とあっさりでとても美味しくてビックリ、デザインて大事だなと思いました。
その夜会場入りしてから本番、Shin-Skiさんのライブは予想以上にアッパーで、一曲終わるごとにフロアからはヒョーイヒョーイの歓声で、大盛況です。結構アクションが大きいのに、叩くパッドのリズムが全くブレずにショットする指先がよく見える舞台袖からずっと見ておりました。
そして我々もいよいよ出番、バンドセットの後の柏くんのソロセットも全く容赦のない、いわばリズムの掃討射撃、全員有罪のグリッヂ裁判が行われ、心の中で「そうそうこれこれ、柏くんこれこれ」的なカタルシスを抑えながら楽屋で聴いておりました。前列には明らかに 柏ギャル とも言うべき上海女子の方々(決して千葉県の某エリア周辺のハードコアバンドマンの彼女の方々ではありません)がスマホで動画を撮りつつパンティルトパンパンズームティルトとやってまして、おぉ、柏くん、さすがだなと思った次第です。
打ち上げも無限ループが文字通り無限に営まれ、アホかっつう位に食べました。初めて食べたのは、揚げ小籠包というもので、小籠包が揚がっているものなのですが、小籠包自体が美味しければもうあとはパッケージの問題で、やはり中の核の部分が大事なんだな、音楽も一緒やな、と真面目なことを揚げ小籠包を眺めながら考えてしまうくらい酔っ払いました。
ソファーの横で尽き果てたカシワ君が気を失っているのを横目に、我々メンバーとshin-skiさん、Bad Newsの皆さんで容赦なく紹興酒を追加オーダーしつつ打ち上げは続きまして、さすがにもうイナフ状態になったので終了、ホテルのロビーで往生際の悪い面々で缶ビールによるシメの乾杯を行いました。
今回の上海は空気もヌケが良く、心地よい気候で気持ち良かったです。滞在中何度もカシワくんから「体力ありますねぇ….」と半ば呆れモードで言われたのですが、帰国して翌日は、さすがにまるで昨日まで海外にいたかのような疲れが残っていました。
次回のKASHIWA Daisukeバンドセットのライブは7/5、東京町田まほろ座にて。是非お越し下さい。
メンバーの皆さん、カシワくん、Bad Newsの皆さん、観に来てくれた上海の皆さん、ありがとうございました。謝謝!